インプラント

インプラント手術に不安を感じている方へ~静脈内鎮静法を用いた歯科治療とは~

インプラント治療は、失った歯の機能や見た目を回復する治療として多くの方に選ばれています。
けれども、外科手術が必要になることから、「痛いのではないか」「年齢的に耐えられるだろうか」「歯医者そのものが怖い」などといった不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、インプラント治療の不安をやわらげる方法の一つである「静脈内鎮静法」についてわかりやすく解説します。

院長

石本院長

経歴
清風高校 卒業
北海道医療大学 卒業
神奈川歯科大学歯学部附属病院にて臨床歯科研修
神奈川県大手医療法人にて勤務
静岡歯科 勤務
医療社団法人愛誠会 東初富アモール歯科クリニックにて分院長として勤務
宝塚いしもと歯科 開院

医院名:宝塚いしもと歯科
所在地: 〒 665-0032
兵庫県宝塚市東洋町5−3
万代東洋町店の敷地内

治療に関する不安はガマンせずに歯科医院に相談しましょう

インプラント治療を検討する上で、不安や疑問を持つことはとても自然なことです。
当院では、患者さまの不安を丁寧に解消し、安心してインプラント治療をご検討いただけるように、現在のお口の状態や治療方法、治療に伴うメリットや注意点について丁寧にご説明しています。

無理にインプラント治療をすすめることはありませんので、まずはお悩みやご希望をお聞かせください。
相談してよかったと感じていただけるよう、お一人お一人に寄り添った診療を大切にしています。

また、治療を行う際にも、不安感を軽減できるように、さまざまな工夫を行っています。

インプラント治療を不安に感じるおもな理由

インプラント治療では、外科手術によって顎の骨にインプラント体を埋め込んで、その上部に人工歯を装着することで、歯の機能を補います。

インプラント治療に対する意識調査によると、インプラント治療に対して

・後遺症があるか
・インプラントは何年持つか
・治療費がどれくらいになるか
・手術が痛くないか

といった不安を感じていることが多いことがわかります。


参考:J-STAGE 日本口腔インプラント学会第27巻2号「インプラント治療に対する意識調査」図2より >

インプラント手術は麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。
痛みは感じにくいものの、意識ははっきりしているため、緊張したり不安・恐怖を感じることがあります。

また、「外科手術」に対して、「怖い」というイメージを持ってしまうのも当然です。
手術そのものがはじめてという方も、多くいらっしゃるでしょう。
また、過去の歯科治療で痛い思いをした経験がある方は、その記憶から歯科治療そのものに苦手意識を持っていることもあります。
さらに、お口の中に異物が入ることで吐き気をもよおす「嘔吐反射」が強い方も、治療を受けること自体が大きなストレスになってしまうこともあるでしょう。

このような不安から、インプラント治療を検討していても「怖いから」と治療を先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいます。
けれども、歯を失った状態をそのままにしておくと、かみ合わせのバランスが崩れたり、周囲の歯に負担がかかったりするなど、さまざまな問題が起こる可能性があります。
歯を失った状態が長く続くほど治療が複雑になることもあるため、できるだけ早めに対応することが大切です。

とはいえ、インプラント手術に対しての不安を抱えたまま、治療を進めるのは難しいでしょう。
そうした不安を軽減する方法の一つとして、「静脈内鎮静法」という選択肢があります。

静脈内鎮静法とは

静脈内鎮静法とは、点滴によって、手や腕の静脈から抗不安薬や静脈麻酔薬を体内に投与することでリラックスした状態に導く鎮静法(麻酔法)です。
「静脈内鎮静法」は、歯科治療中の不安や緊張を和らげることを目的にしています。

抗不安薬や静脈麻酔薬が体内に入ると、うとうとと眠っているような感覚になり、リラックスした状態で治療を受けることができます。
治療中の不快な音も聞こえにくくなり、治療中の恐怖心や緊張感が軽減されると感じる方も多いのが特徴です。
完全に意識がなくなるわけではなく、呼びかけに反応することは可能です。
そのため、必要に応じて歯科医師とコミュニケーションをとることもできます。

さらに、静脈内鎮静法を用いた治療では、時間の感覚が短く感じられることもあります。
治療に実際にかかった時間よりも短く、「あっという間に終わった」と感じる方も少なくありません。

このように、歯科治療に対して強い不安を持つ方にとって、治療に対する心理的な負担を軽減し、よりリラックスして治療を受けていただけるようになります。
ただし、静脈内鎮静法は痛みを感じにくくするものではありませんので、通常の歯科治療と同様に局所麻酔を併用することで痛みの感じ方をコントロールする必要があります。

全身麻酔との違い

静脈内鎮静法は、全身麻酔と混同されることがありますが、両者は大きく異なる麻酔方法です。

全身麻酔では完全に意識がなくなり、人工呼吸器などで呼吸を管理する必要があります。
そのため、全身麻酔を行う場合は、入院が必要となることが多く、しっかりとした体制の下で行う必要があります。

一方、静脈内鎮静法を行っている間の呼吸は、自分で行う「自発呼吸」のままです。
意識も完全になくなるわけではなく、うとうとと眠っているような状態になるだけで、基本的には入院の必要がなく、歯科医院での日帰り治療として行われます。

このように、静脈内鎮静法は全身麻酔に比べて身体への負担が少なく、歯科治療に対する恐怖心をやわらげる方法として利用されています。

副作用やリスクはある?

静脈内鎮静法は、リラックスした状態で歯科治療を受けられる方法ですが、いくつかの副作用や注意点もあります。
治療後は薬の影響で眠気やふらつきが残ることがあり、当日は車の運転を控える必要があります。

また、鎮静状態でも嘔吐反射を完全に抑えることが難しい場合があり、さらに、まれではありますが、薬の影響で呼吸が弱くなるなどのリスクにも注意が必要です。
なお、全身の状態によっては、長時間にわたる治療には向かない場合もあるため、適応やリスクについては事前に十分な説明を受け、納得した上で治療を受けることが大切です。

こうしたリスクをできるだけ抑えるために、治療中は血圧や心拍数、酸素飽和度などを生体モニターで継続的に確認しながら全身状態を管理することが必要です。
さらに、静脈内鎮静法を行う前には過去の病気の経験や服用している薬、体調などを詳しく確認し、患者さまお一人お一人の状態に合わせて慎重に判断します。

静脈内鎮静法は誰でもできる?

静脈内鎮静法にはさまざまなメリットがありますが、必ずしもすべての方に必要というわけではありません。

静脈内鎮静法が適している方

静脈内鎮静法は、

・歯科治療に対して強い恐怖心を持っている
・過去の治療経験から歯科医院が苦手になってしまった

という方には適している場合があります。

また、嘔吐反射が強く、治療中に口の奥へ器具が入ることに不安を感じている方にも適しています。

そのほか、持病がある方や強いストレスや緊張をできるだけ避けたい方など、歯科医師の判断のもと、患者さまお一人お一人の状態やご希望に応じて、適切な治療方法を選択することが大切です。

適応にならないケース

静脈内鎮静法は多くの方に利用されていますが、患者さまの状態によっては、適応できないこともあります。

たとえば、重度の全身疾患がある場合や、全身状態が安定していない場合には、慎重な判断が必要です。
また、当日の体調によっては、安全面を考慮して治療を延期することもあります。

そのため、静脈内鎮静法を行う際には、事前の問診や診察によって全身の健康状態をしっかり確認することが重要です。
既往歴や現在服用している薬などについても詳しく確認し、静脈内鎮静法を行うかどうかを判断します。

インプラント治療の安全性を確保するための体制とは

静脈内鎮静法を用いたインプラント手術では、患者さまの全身状態を確認しながら治療を行うことが重要です。

治療中は、生体モニターを使用して血圧や心拍数、血中酸素飽和度など、全身の状態を常時確認する必要があります。

また、酸素ボンベを設置し、必要に応じて酸素投与ができるよう準備を整えておくほか、緊急時に対応できる設備としてAEDなどの医療機器を設置し、緊急事態に備えておくことが大切です。

さらに、インプラント治療だけでなく全身管理に関する知識や治療経験も重要です。
これらの知識をもとに、患者さまの既往歴や服薬状況などを詳しく確認し、体調や健康状態を踏まえて治療計画を立案します。
インプラント治療を行う歯科医院を選ぶ際は、このように安全性を確保するための環境づくりが行われている歯科医院を選ぶとよいでしょう。

静脈内鎮静法を使ったインプラント手術当日の流れと注意点

まず、安全に鎮静法を行うために、体調や服用中のお薬について確認します。
治療に対する不安や疑問がある場合は、この段階で遠慮なくご相談ください。

準備が整ったら、生体モニターで血圧や脈拍などの状態を確認しながら、静脈から鎮静薬を点滴で投与します。
薬が作用し始めると緊張がやわらぎ、リラックスした状態で治療を受けていただけることが可能です。

その後、全身の状態をモニターで確認しながら治療を進め、必要に応じて鎮静薬の量を調整し、治療が終わるころには、鎮静作用を弱める薬剤を使用します。
麻酔が覚めるまでの時間は、お一人お一人でさまざまです。

しばらくぼんやりとした状態が続くことがありますので、休憩していただき、十分に回復してからお帰りいただきます。
当日は眠気やだるさが残る可能性があるため、車や自転車の運転は控え、無理をせず安静にお過ごしください。

インプラント治療に対する不安はお気軽にご相談ください

インプラント手術に対して不安を感じるのは、めずらしいことではありません。
「外科手術」と聞いて、多くの方が不安を感じるでしょう。
不安な気持ちをガマンしたり、不安な気持ちからインプラント治療をあきらめたりする必要はありません。
当院では、患者さまの不安をできるだけ軽減できるよう、さまざまな方法を検討しながら治療を進めています。

静脈内鎮静法も、その選択肢の一つです。
歯科治療に強い恐怖心を持っている方や、インプラント手術に不安を感じている方では、静脈内鎮静法により不安や緊張が和らぐ場合があります(効果には個人差があります)。
インプラント治療を検討している方で、不安や疑問がある場合は、まずはお気軽にご相談ください。
患者さまお一人お一人のお話を丁寧にうかがい、不安感を解消した上で治療を受けていただける方法をご提案いたします。


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